コンテンツへスキップ

ARENA-PACがフィリピン研究教育ネットワーク(NREN)との連携を強化

2022年11月17日

インターネット・サムライとして知られる慶應義塾大学の村井純教授が、アジア太平洋地域研究教育ネットワーク(ARENA-PAC)に接続するパイロット国の一つとしてフィリピンを選んだことにより、フィリピン研究教育ネットワーク(NREN)は大きな弾みをつけました。村井教授が代表を務めるARENA-PACと、レナト・ソリダム・ジュニア長官が代表を務める科学技術省(DOST)は、協定に調印し、フィリピン研究・教育・政府情報ネットワーク(PREGINET)をグアムにあるグローバルNRENハブに接続して、同国とARENA-PACを接続する契約を締結しました。村井教授は、日本のインターネットの父と呼ばれ、グローバルインターネットにおけるイノベーションと次世代技術を促進するために、アジア太平洋地域全体にネットワークテストベッドを構築することに尽力してきました。

ARENA-PACは、現在、東京、フィリピン、インドネシア、シンガポールをそれぞれ100Gbpsの回線でグアムと結んだバックボーンネットワークで構成されています。今後、さらに多くの国が参加する予定です。

ARENA-PACの共同ディレクターである村井純教授は、フィリピン科学技術省・先端科学技術研究所(DOST-ASTI)がアジア太平洋地域の研究・教育用インターネットの発展に果たした役割と、産業・商業用インターネットの発展への影響について、感謝と敬意を表しました。

「ARENA-PACがDOST-ASTIと協力して高速インターネット接続を追加するこの新しいプロセスは、アジア太平洋地域だけでなく、世界の研究・教育コミュニティーの先端科学技術開発に貢献する次の段階の出発点となるものです。このMoUを契機として、フィリピンの科学・教育界とさらに幅広く協力していきたいと思います。」

DOSTのソリダム長官は、今回の接続への期待と共にAI3およびSOI Asiaとのパートナーシップに感謝の意を表明しました。調印式のスピーチでは「このようなコラボレーションは国にとって重要であり、特に研究開発においてはアジア太平洋地域の他の国々と協力することが重要です。」と述べました。「今回の日本の研究者との共同研究は、まさにDOST-ASTIの長年のパートナーシップの成果であり、特に意義深いものです。いかなる協力活動も信頼と良好な業務関係なしには成り立ちません。ですから協力者との関係を育んでいくことが不可欠です。」

ASTIのフランツ・デ・レオン所長は、AI3およびSOI AsiaとASTIのパートナーシップにより、PREGINETの構想が動き出したことについて、次のように述べました。

「PREGINETは、ASTIが維持する科学インフラの集合体の先駆けとして、国中の研究・教育活動を活性化させてきました。これらの科学インフラを通じて、災害リスク管理、バイオインフォマティクス、健康、遠隔教育の分野や応用で、さまざまな研究活動が行われています。PREGINETのメンバーやパートナーは、ARENA-PACが提供する、高度にネットワーク化された世界の中で研究の可能性を最大限に引き出し、実りあるコラボレーションを築くことができることを期待しています。」

ARENA-PACはAPIDT(Asia Pacific Internet Development Trust)のプロジェクトであり、APNIC(Asia Pacific Network Information Centre)の支援のもと、WIDEプロジェクトが運営しています。